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株式会社Kenビジネススクールは不動産取引を専門とする教育機関です。

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宅建試験に合格する方法How to pass


宅地建物取引士とは?

1 不動産取引の専門家?

宅地建物取引士とは、不動産取引に関するプロの法律家です。
宅地建物取引業法という法律では、「宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない」 と定め、社会における専門家としての位置付けが示されています(第15条)。

2 不動産会社とは切っても切れない関係?

不動産会社として免許を取得して不動産業を営むためには、各事務所に5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければなりません。
事務所とは本店や支店のことです。
また、マンションんの分譲などのため一時的に設置する現地案内所にも、専任の宅地建物取引士を1人以上置く必要があります。
なお、「専任」とは一時的なアルバイトや兼任ではなく、フルタイムのスタッフとしてその事務所等に専属するという意味です。
したがって、不動産会社は宅地建物取引士がいなければ、そもそも営業自体ができないわけです。

3 契約するには宅地建物取引士が必須?

不動産業の中でも、不動産を商売目的で売買・交換したり、他人の売買・交換・貸借を仲介したりすることを、宅地建物取引業と呼びます。この宅地建物取引業のゴールは、それぞれの契約とその履行です。宅地建物取引業法では、その契約にあたり、
①契約前の商品(不動産)の説明(相手が不動産会社の場合は不要)
②①の商品(不動産)説明書面への記名と押印
③契約時に交付する契約書面への記名と押印
を行えるのは、宅地建物取引士の資格を有するものに限定されています。
したがって、不動産会社が契約するには宅地建物取引士が必要となるわけです。

4 宅地建物取引士になるには?

①年に一度実施される宅地建物取引士資格試験に合格し、
②過去10年以内に合計2年以上の実務経験を有するか、それに代わる実務研修を受講して修了試験に合格し、
③受験地の都道府県知事に対して宅地建物取引士の登録を行い
④登録した都道府県知事から宅地建物取引士証の交付を受ける
以上のすべてをクリアすると宅地建物取引士となります。以上の条件のうち①の試験に合格するのが最も困難なので、以下、①をクリアする方法を記述します。


宅地建物取引士資格試験とはどんな試験?

1 四肢択一式のマークシート

試験日時 毎年10月第3日曜日
13:00~15:00(免除対象者は13:10~15:00)
受験申込 7月末日
合格発表日 12月初旬
出題形式 四肢択一式マークシート
合格ライン 未定(競争試験であり成績の良い順に合格)
ただし、例年35問(50問中)以上あたりが合格ラインとなっています。
その他 ・受験会場は先着順なので早めに受験申込みをすると希望する会場で受けられます。
・免除対象者は一般受験者とは別会場です。
・試験20分前になるとテキストやスマホを見れなくなり、アナウンスがはじまるので、早めに会場に行くことをお勧めします。
・試験問題は終了後持ち帰れます。答え合わせのため問題文にも解答を記入しておくとよいでしょう。
詳細は試験実施団体の不動産適正取引推進機構のホームページを参照下さい。

2 出題される内容は9割以上が法律?

科目 概要 配点 目標点
権利関係 民法を中心に、不動産登記法、借地借家法、建物区分所有法等の、不動産取引に関する権利関係を規定した法律からの出題です。 14点 7点
法令上の制限 都市計画法を中心に、建築基準法、国土利用計画法、農地法、土地区画整理法、宅地造成等規制法からなる科目です。 8点 6点
税法 譲渡所得税、贈与税、登録免許税、印紙税という国税からと、不動産取得税、固定資産税という地方税から出題されます。 2点 1点
不動産の鑑定評価 地価公示法と不動産鑑定評価基準からの出題です。土地は法律上特定物と呼ばれ、その個性が重視される物です。特定物とは、この世に同じものが2つとないという意味です。つまり、重要と供給から割り出される相場という観念が想定できないわけです。そこで、国が不動産鑑定士という専門知識を有する資格者に土地の値踏みをさせています。これが地価公示であり、その手法が不動産鑑定評価です。 1点 1点
宅地建物取引業法等 宅地建物取引業法と住宅瑕疵担保履行法からの出題です。 20点 18点
免除科目 不動産の需給・統計、土地・建物の知識、不当景品類及び不当表示防止法、住宅金融支援機構法からの出題です。 5点 4点

3 合格率は15%程度?

和暦 受験者数 免除受験者数 合格者数 一般合格率 免除合格率 合格点
平成元年 281,701 41,978 14.90% 33
平成2年 342,111 44,149 12.90% 26
平成3年 280,779 39,181 13.95% 34
平成4年 223,700 35,733 15.97% 32
平成5年 195,577 28,138 14.39% 33
平成6年 201,542 30,500 15.13% 33
平成7年 202,589 28,124 13.88% 28
平成8年 197,168 29,065 14.74% 32
平成9年 190,131 26,835 14.11% 34
平成10年 179,713 24,930 13.87% 30
平成11年 178,384 28,277 15.85% 30
平成12年 168,094 25,928 15.42% 30
平成13年 165,104 25,203 15.26% 34
平成14年 169,657 4,390 29,423 17.34% 22.10% 36
平成15年 169,625 4,039 25,942 15.29% 24.50% 35
平成16年 173,457 3,944 27,639 15.93% 22.90% 32
平成17年 181,880 19,109 31,520 17.33% 29.00% 33
平成18年 193,573 27,742 33,191 17.15% 25.40% 34
平成19年 209,697 34,143 36,203 17.26% 27.90% 35
平成20年 209,401 38,460 33,946 16.21% 22.60% 33
平成21年 195,515 36,606 34,918 17.86% 26.60% 33
平成22年 186,542 33,957 28,311 15.18% 19.70% 36
平成23年 188,572 34,666 30,391 16.12% 19.30% 36
平成24年 191,169 35,766 32,000 16.74% 22.60% 33
平成25年 186,292 37,065 28,470 15.28% 21.00% 33
平成26年 192,029 40,227 33,670 17.53% 24.90% 32
平成27年 194,926 41,720 30,028 15.40% 20.20% 31
平成28年 198,463 44,123 30,589 15.41% 20.00% 35
平成29年 209,354 47,480 32,644 15.59% 19.90% 35
平成30年 213,993 50,415 33,360 15.60% 20.60% 37
令和元年 220,797 51,671 37,481 17.00% 22.90% 35
令和2年10月 168,989 45,492 29,728 17.6% 19.6% 38
令和2年12月  35,258 635  4,609  13.1% 10.7% 36
令和3年10月 38,525 38,525 38,525 17.9% 34
令和3年12月 38,525 38,525 38,525 15.6% 34
令和4年 283,856 52,851 38,525 17.0% 17.3% 36
令和5年

宅地建物取引士資格試験に合格する方法

1 過去のデータから言えること

①受験者の60%以上が正解する問題を合計すると例年30問程度となる。
⇒難しい問題が解けるより、誰もが正解できる基本的な問題を間違えないようにすることが重要です。

②宅地建物取引業法等の受験者の正解率60%以上の問題数は例年16問程度となる。
⇒宅地建物取引業法等で得点できない場合は高確率で不合格となります。
⇒近年の難問化傾向により満点を狙うのは困難です。

③権利関係については、受験者の正解率が60%以上の問題数は8問程度となる。  ⇒権利関係(民法等)の学習はメリハリをつけて学習し、深入り注意です。
⇒近年の合格者のレベルが上がっているので6割以上の得点が必要です。

④問題肢の7割以上が過去に出題されている。
⇒合格に必要な勉強方法は過去問演習の繰り返しが最低条件

⑤改正点からの出題がある。
⇒試験直前期に改正点をまとめた資料等と予想問題で準備しておくべきです。


2 権利関係の学習のコツ

【やってはいけないこと】
①満点を狙うこと
②民法的な思考方法を知らずに暗記に頼ること
③具体例(判例)を意識していないで要件と効果だけを暗記すること
④根拠のないヤマあてに依存し過ぎること
⑤根拠のないカンに頼って解答すること
⑥実務経験に固執し過ぎること
⑦正確に暗記をせずに広く浅く学ぶこと
⑧法律の学習が好きになり深入りし過ぎること

【攻略方法】
①抵当権・規約集会・賃貸借・意思表示を得意分野にする。
②苦手な分野は、ノートに要件と効果に分けて整理する。
③重要判例は過去問で読み込み、テキストに書き込む(記載がない場合)
④制度趣旨を意識する。

【学習時間の目安】
  項目※ 学習時間(分)
1 権利能力・意思能力・制限行為能力 120
2 意思表示 240
3 代理 240
4 条件と期限 30
5 時効 120
6 占有・所有・共有 60
7 建物区分所有法 180
8 物権変動 180
9 即時取得と権利外観法理 30
10 不動産登記法 180
11 弁済 60
12 債務不履行と損害賠償 120
13 債務不履行と解除 180
14 売買契約と手付 60
15 売買契約と担保責任 120
16 委任契約と請負契約 60
17 保証債務・連帯債務 180
18 抵当権 300
19 不法行為 180
20 相続 180
21 民法上の貸借 300
22 借地借家法上の借家 180
23 借地借家法上の借地 180
合計 3480
※上記の項目は書籍「宅建士要点整理」の項目に準拠しております。

《関連資料》
宅建に合格できない理由・権利関係の学習法

3 宅地建物取引業法の学習のコツ

【やってはいけないこと】
①7割程度の正解で妥協すること
⇒満点を狙う学習を心掛けて下さい。

②曖昧な理解で正確な暗記をしないこと
⇒正確に暗記しないと「2つまでは絞れるのに」と言い訳する結果となります。

③重要事項説明事項をすべて丸暗記しようすること
⇒法令上の制限の説明事項をすべて丸暗記することは困難です。過去問レベルで十分です。

【攻略方法】
①免許基準・重要事項説明書面・報酬額制限・媒介契約を得意分野にする。
②免許と取引士登録と取引士証、営業保証金と弁済業務保証金、重要事項説明と37条書面、一般媒介と専任媒介と専属専任媒介を比較して暗記する。
③改正点を確認する。

【学習時間の目安】
項目※ 学習時間(分)
1 宅地建物取引業とは 60
2 免許申請と事務所 60
1免許の申請
2免許の効力と更新
3事務所
3 事務所以外の場所の規制 120
1標識・専任の取引士・届出
2標識に記載する事項
4 免許欠格事由 120
5 免許取得後の事情変更 60
6 宅地建物取引士 60
7 取引士登録後の事情変更 60
8 営業保証金と弁済業務保証金 120
9 広告規制と契約締結時期の制限 30
10 媒介・代理契約 180
11 報酬額の制限 120
12 重要事項説明書面と37条書面 300
13 その他業務上の規制 40
14 従業者 30
15 クーリング・オフ 90
16 損害賠償額の予定・手付金・保全措置 90
17 自己所有に属しない物件の売買契約締結制限 40
18 担保責任についての特約の制限その他 60
19 監督処分と罰則 40
20 住宅瑕疵担保履行法 60
合計 5580
※上記の項目は書籍「宅建士要点整理」の項目に準拠しております。



4 法令上の制限・税法・不動産鑑定評価の学習のコツ

【やってはいけないこと】
①好きな科目から学習をはじめること
⇒都市計画法がその他の法令の基本となりますので、先に学習しましょう(約1カ月かかります)。その次は、建築基準法を学びます。その後は、国土利用計画法・農地法・宅地造成等規制法の順番で学ぶのがよいでしょう。土地区画整理法は少し難解なので後回しにした方が理解し易くなります。

②法令上の制限の学習が好きになり過ぎること
⇒街作りに関する法令なので、人によってはとても興味を抱きより深く学びたくなると思います。しかし、深入りして調べ出すとあっという間に時間が経ちますので、ある程度は、受験勉強と割り切って出題頻度の高いものだけを勉強するのも重要です。

③税法を捨てること
⇒税率や要件を正確に暗記しないと得点に繋がらない分野なので、暗記が苦手な方は安易に捨ててしまうという話もよく聞きます。しかし、2問中少なくとも1問は取りたいところなので、出題頻度の高い分野は直前期に正確に暗記しておきましょう。

④不動産鑑定評価基準の用語が難しいと感じ捨てること
⇒用語だけが難しいので、具体例と共に理解した上で暗記するように心がけて下さい。

【攻略方法】
①都市計画法を得意にする
⇒2問出題されます。確実に2問取れるようにしましょう。

②全体像を常に意識する
⇒試験対策を意識し過ぎて、出題頻度の高い制度だけを学ぶと、点だけが頭にいっぱいになり、それが線で繋がらず、暗記できない結果にもなります。常に、自分がいま学んでいる分野が全体像の中でどの部分に位置付けられているのかを意識しましょう。

③制度趣旨を意識する
全ての法律分野に言えることですが、法令上の制限は特に制度趣旨(目的)を意識しないと迷路に迷い込むので要注意です。

【学習時間の目安】
   項目※ 学習時間(分) 
1 都市計画法?都市計画区域・準都市計画区域・都市計画決定手続 60
2 都市計画法?地域地区 180
3 都市計画法?都市施設・地区計画 60
4 都市計画法-開発行為① 180
5 都市計画法-開発行為② 180
6 都市計画法-都市計画事業等 90
7 建築基準法-建築確認・単体規定 180
8 建築基準法-道路規制・防火地域 120
9 建築基準法-用途規制 180
10 建築基準法-建蔽率・容積率・敷地面積 90
11 建築基準法-高さ制限 60
12 国土利用計画法 240
13 農地法 240
14 土地区画整理法 300
15 宅地造成等規制法 180
16 その他法令上の制限 60
17 固定資産税・不動産取得税 240
18 所得税・贈与税 240
19 印紙税 120
20 登録免許税 60
21 地価公示法 60
22 不動産鑑定評価基準 120
23 不当景品類および不当表示防止法 60
24 住宅金融支援機構法 60
25 不動産の需給・統計 30
26 建物 60
27 土地 60
合計 3030
※上記の項目は書籍「宅建士要点整理」の項目に準拠しております。

《関連資料》




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