平成29年度(2017年度)2017.4-2018.3
共同相続された定期預金債権及び定期積金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない。
家庭裁判所は,相続人がその固有財産について債務超過の状態にあり又はそのような状態に陥るおそれがあることなどから,相続財産と相続人の固有財産とが混合することによって相続債権者又は受遺者がその債権の全部又は一部の弁済を受けることが困難となるおそれがあると認められる場合に,民法941条1項の規定に基づき,財産分離を命ずることができる。
不動産は,商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たる。
債権差押命令の送達を受けた第三債務者が,差押債権につき差押債務者に対して弁済をし,差押債権者に対して更に弁済をした後,差押債務者が破産手続開始の決定を受けた場合,後者の弁済は,破産法162条1項の規定による否認権行使の対象とならない。
改良住宅の入居者が死亡した場合において,その死亡時に当該入居者と同居していた者で,市長の承認を受けて同居している者等に限り,市長の承認を受けて引き続き当該改良住宅に居住することができる旨を定める京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項は,住宅地区改良法29条1項,公営住宅法48条に違反し違法,無効であるとはいえない。
抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合には,民法396条は適用されず,債務者及び抵当権設定者に対する関係においても,当該抵当権自体が,同法167条2項所定の20年の消滅時効にかかる。
(補足意見がある。)